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「あなたは看護師に向いていない。絶対に人を殺す」被害女性がカメラの前で証言 武生看護専門学校で教職員からパワハラ被害 福井法務局が調査
越前市にある武生看護専門学校の卒業生や在校生が、教職員からのパワハラやセクハラ被害を訴えています。福井テレビでは被害を訴える人物に、直接話を聞くことができました。
武生看護専門学校の卒業生と在校生の男女4人は、2021年から2024年まで、複数の教職員から人格を否定するような言動や威圧的な態度など、パワハラ被害などを受けたとして、学校を運営する武生医師会に対し謝罪と再発防止を求める申出書を提出しています。
訴えを受けて医師会では、第三者を含む調査委員会を設置し、2025年3月末までに調査結果を医師会に報告。2025年4月には医師会がパワハラやセクハラの有無を判断し、必要な対策を取るとしています。
提出された申出書によりますと、複数の教職員からパワハラやセクハラがあったと訴えているのは▼卒業生の30代女性Aさん▼現役の40代女性Bさん▼20代男性CさんとDさんの4人です。
どんな被害を受けたのか、2024年3月に卒業した30代の女性Aさんがカメラの前で語ってくれました。
被害を訴えるAさん:
「いきなり理由もなく、無言で記録物を叩きつけられて、教員になぜそんなことをするのか聞いても教えてくれない。教員から暴言だったり、人格を否定するような『社会人としておかしい』とか『アホじゃないか』とか、実習とは関係のない言葉を吐き続けられて私も理解が追いつかなくて…。なぜこんなことを言われないといけないのか。無視したり、他の実習メンバーに『あいつはおかしい』『あいつはできないんだ』と悪口を言われて、居場所を失っていきました」
Aさんの話から経緯を振り返ります。
▼武生看護専門学校に在学中の2023年6月頃、教員から「お前アホじゃねえんけ?よく社会人やってこれたな」などと人格否定の言葉を浴びせられるなどした。
▼その後も「看護師に向いていない」と言われた。
▼別の教員からは「あなたは看護師になったら大きなミスをする。絶対に人を殺す」などと、大声でみんなの前で言われた。
▼2023年9月、Aさんや現役の40代のBさんら数人の学生が、パワハラ被害を学校側に告発。
▼改善が見られないとして2023年12月、学校を所管する県の地域医療課に相談。
▼県地域医療課は、学校側に対して学生の話を聞き事実確認を行うよう要請。学校側は対策として、教員の研修を行うことや学生からの意見を集めるための目安箱を設置するなど対応。
Aさんらの告発によって学校側は対応を取ったとしていますが、2024年6月には現役の男子学生CさんやDさんも、パワハラやセクハラ被害を受けたと訴えました。
教員からセクハラを受けたという男子学生Cさんも、被害について語ってくれました。
被害を訴えるCさん:
「(実習の)カンファレンス中に女子生徒が目の前で着替えている中、カンファレンスが続行された。僕は場所を変えたかったが先生が見なかったらいいと言い、着替えている女子生徒を背にしてカンファレンスが続行された」
実習で男女が同じ部屋内にいて、女子生徒が着替えを終えていないにも関わらず、男子生徒を同じ空間にとどめさせ、教員が実習を続けたため、Cさんは精神的な苦痛を受けたといいます。
この件を受け、Aさんを中心に2024年6月から再度、学校側に相談しましたが、それでも改善が見られないとして、10月、4人が武生看護専門学校を運営する武生医師会に謝罪や再発防止を求める申出書を提出しました。
武生医師会は11月、第三者を含む調査委員会を設置し、事実関係を調査していて、結果は2025年3月末までに確定させるとしています。
武生医師会は県地域医療課に対し、「パワハラやセクハラの有無に関わらず、ハラスメント防止のガイドラインを作り、窓口を設けるとともに、教員へのハラスメント研修を行う」としていて、福井テレビの取材に対しては「現在、調査される側なので
第三者委員会の判断を待ちたい」とコメントしています。
またAさんは、福井法務局に人権救済を求めて相談していて、福井法務局は人権侵犯事件にあたるかどうか、学校長などに聞き取り調査を予定しているということです。
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