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「ブラックフライデー」に大手スーパーチェーンから老舗の呉服店まで戦略様々 福井県内でも確実に浸透中
最近よく耳にする「ブラックフライデー」という言葉。小売店などで行われるアメリカ発祥の大規模なセール期間のことです。売り上げがアップし黒字になるなど諸説ありますが、日本でもその動きは広がっています。県内でも広がる「ブラックフライデー」商戦を取材しました。
そもそもなぜ「ブラックフライデー」と呼ばれるようになったのかというと、アメリカでは11月の第4木曜日が、家族で集まり恵に感謝する「サンクスギビングデー」と呼ばれています。その翌日は正式な休暇ではないものの休みを取る人が多く、各社が在庫一掃セールを開催しますが、1961年にアメリカのフィラデルフィアで行われたセールで買い物客や観光客で町が大混乱し、大渋滞になりました。そこで警備にあたった警察官が「ブラックフライデー」と呼んだことが始まりとされています。
福井市内では「イオンスタイルそよら福井開発」でも22日からブラックフライデーセールが始まり、朝から大勢の客でにぎわっています。
イオンは国内の流通業界に先駆けてブラックフライデーを導入し9年目を迎えます。2024年のテーマは「年に一度のワクワク日本代表」で、ブラックフライデーセールに合わせ、カップ麺や冷凍食品などメーカーと協力した黒いオリジナルパッケージの商品を販売しています。
また、ステーキ肉やマグロは市場価格の約3割引き、羽毛布団なども割引価格で販売しています。
店内の入口近くに設置されたジャガイモとタマネギの詰め放題コーナーは、特に人気を集めています。どちらも300円で詰め放題をすることができ、1人当たり平均10個ほど詰めているということです。
買い物客からは「じゃがいもとたまねぎの詰め放題を目当てに来た」「欲しいものが安くなっているなら買おうと思っている」「あまり(ブラックフライデーについて)知らなかったが良いと思う。家計が助かる」と好評です。
イオンは「セールの中でも最も力を入れているのがブラックフライデーセールで、お買い得商品を通じて楽しい気持ちで買い物をしてもらいたい」と力が入っています。
イオンのブラックフライデーセールは、22日から12月1日までです。
ブラックフライデー商戦に名乗りを上げるのは大手ばかりではありません。福井市春山2丁目にある中島屋呉服店でも、21日から「ブラックフライデー」と銘打ってセールを始めました。
中島屋呉服店は1701年(元禄14年)創業の300年以上続く老舗の呉服店で、着物や和装小物の販売のほか、着物クリーニングや着方教室などを行っています。
店内の商品は、一部を除いて20%から最大で50%オフになっています。例えば、何枚もの型紙を使って手作業で染め上げた着物とクリスマスツリーがデザインされた帯のセットは、通常50万円以上するところ、ブラックフライデー期間中は40%オフで販売されています。
中島屋呉服店の女将・中島光子さんは「ブラックフライデーというと客の購買意欲がグッと上がるかと思い、今年から始めた。けっこう反響が大きい」と笑顔です。
この店舗では、もともとこの時期に大感謝祭と題してセールを行っていましたが、マンネリ化し売上が伸び悩んだため、「ブラックフライデー」に名前を変更しました。
中島さんは「着物は冠婚葬祭で着ることもなくなり、生活の中では馴染みがなくなったので、ブラックフライデーをすることによって、客に気軽に呉服屋へ足を運んでもらえたら」と期待しています。
中島屋呉服店のブラックフライデーは26日火曜日までです。
アメリカ発祥の「ブラックフライデー」ですが、年末商戦へ向けて一気に駆け抜ける景気づけのスタートと位置付ける企業もあれば、新規の顧客獲得を目指す老舗呉服店もあり、その狙いは様々で戦略は異なるものの、県内でも「ブラックフライデー」は確実に広がりつつあるようです。
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