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「怖くて車外に出られなかった」目の前を横切る野生サルの群れ 集団登校中の小学生も遭遇 動物園ではサル舎をうろつき…警戒続く【福井】
南越前町の西大道で11月下旬、野生のサルの群れが移動する様子を収めた動画が、福井テレビアプリ「ふくリポ」に投稿されました。県内でも、野生サルの出没が多数、目撃されています。現状や対策を取材しました。
11月25日、斜面から次々に飛び出してくる野生のサルの映像を撮影したのは、南越前町に住む加藤ミドリさんです。「畑を見に来た時に、行きは何ともなかったが、帰りの道でサルがダーッと逃げ出してきたので、慌てて携帯を出して車の中から撮った」
その時について加藤さんは「怖くて車の外に出る気はしなかった。車だったから助かった。凄いスピードで走っていったから、サルも怖かったんでしょうね」と話します。
また、加藤さんの親戚の照美さんは6月に、小学生が集団登校中にサルの群れに遭遇した現場を目撃しました。「サルが何十匹もいて、女性も子供もいたので危ないと思ったから、近くの男性を呼んで『追い払って』と。そしたら一斉に逃げていった。子供には被害が無かったから良かったけど、学校の帰りとかいつ(サルの出没が)あるかわからないしね」と野生のサルへの恐怖を口にします。
サルの出没は福井市内の人が集まる場所でもー
佐々木拓哉アナウンサー:
サルの檻の屋根の上に、野生のサル1頭が座っているのが確認できます。カメラに気付いても特に警戒する様子はなく、落ち着いている様子です
福井市の足羽山公園遊園地では、10月に入り野生のサルが頻繁に園内に出没するようになりました。特に、サル舎の周辺をうろつくことが多いため、11月1日からはサルの檻周辺を閉鎖しています。
飼育員の池田茜さんは「檻の周りを野生のサルがうろうろするので、中のサルが警戒する行動があった」と話します。
特に女性や子供に対して威嚇してくることがあるといい、現在は捕獲用の檻を園内の2カ所に設置しています。「安全を優先してサル舎の周りを封鎖しているので、早く解放して客に楽しんでもらいたい」(飼育員の池田さん)
福井県のまとめによりますと、2023年度は前年度に比べて約70頭多い894頭の野生のサルを捕獲しました。
10年ほど前から、緩やかな増加傾向にあることについて県鳥獣害対策室の上野良一室長は「高齢化や人口減少などにより集落が過疎化し、使われていない畑も増えているため、サルが集落に下りてきやすい状況になっているのではないか」と分析します。
「サルは他の野生鳥獣と違って、一般的には十数頭から百頭くらいの規模で群れをなして広範囲を移動する。イノシシやシカの行動範囲は決まっているが、サルの場合は常時新たな餌場を求めて移動する」(上野室長)また、秋に限らず季節の野菜や果物が実る時期に出没しやすいということです。
野生のサルの対策としては「住宅地にサルを引き寄せないことが重要なので、家の周りにサルの餌となるような食べ物や生ごみを置いておかないようにしてほしい」と呼び掛けます。
万が一、野生のサルと遭遇した場合はー
県鳥獣害対策室:上野良一室長:
「決して近づかず、目線も合わせないようにしてほしい。目線を合わせるとサルは威嚇されたと認識してしまうので、サルを刺激したり興奮させたりしないことが重要。大声で威嚇したり、興味本位で驚かせたり、歯を見せて笑ってからかったりもしないようにしてほしい」
今後も、住宅地でサルが出没する可能性があり、県は注意を呼びかけています。他の野生鳥獣と同様、食べ物を与えるのもやめて欲しいということです。
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