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交通被害者の遺品や遺族メッセージで命の尊さ訴え 生命(いのち)のメッセージ展【福井・敦賀市】

2024.07.15 18:45

NPO法人いのちのミュージアムは、「生命(いのち)のメッセージ展」という展示会を全国各地で開催していて、交通事故や事件で亡くなった被害者の遺品や遺族のメッセージなどを展示して命の尊さを訴えています。その「生命のメッセージ展」の常設展が14日、敦賀市に開設されました。

交通事故で亡くなった人や理不尽な事件に巻き込まれ、命を落とした人など全国の犠牲者をパネルにして展示している「生命のメッセージ展」。その常設展は、東京都内の施設にありましたが、施設が老朽化したことから移す必要がありました。

その移設先として選ばれたのが敦賀でした。主催する「NPO法人いのちのミュージアム」副理事を務める清水正富さんは敦賀市内で損害保険会社を営んでいます。

仕事で交通事故の被害者や加害者と話す中で、どちらにもなってほしくない、改めて命の尊さを分かってもらいたいと、15年前から敦賀市で「生命のメッセージ展」を開催してきました。全国でこれほど長く展示を行ってきたところはなく、基盤のある敦賀市を常設展の場所に決めました。

【鈴木共子代表インタビュー】
「私たちの(いのちのミュージアムの)副理事が毎年のようにここで生命のメッセージ展を開催していた。とても意味のある場所だなというのが私たちの思い」

常設展が移された場所は敦賀市の愛発公民館です。14日から「いのちのミュージアム福井Base」として活動が始まりました。会場にはおよそ40人の犠牲者のパネルが並べられています。

パネルには、犠牲者本人が元気だったころの写真や履いていた靴、そして遺族からのメッセージも添えられています。

【鈴木共子代表インタビュー】
「理不尽な事件・事故は他人事ではない。メッセージ展を通して自分事として捉えてほしい」「こういった犠牲者の人たちは、生きたくても生きられなかった人たち。今生きていることを大切にしてほしいという思いも込めてこうした形にしている」
 
こちらは、5年前に東京都池袋の暴走事故で、犠牲者となった親子のパネルです。その遺族、松永拓也さん。一つの交通事故で一瞬にして妻と娘を同時に亡くしました。
 
生命のメッセージ展の常設が敦賀市内で始まるのに合わせ、13日に敦賀市内で講演。悲痛な思いを語りました。
 
【松永拓也さん講演】
「私の中で人生観が変わった瞬間。なんて命は尊いんだろうと」
 
後悔、悲しみ、怒り。家族3人で暮らしていた幸せな日々から一転。事故によりぶつけようのない苦しみがあったといいます。
 
【松永拓也さん講演】
「失ってから改めてその大切さに気付いて、この時はありがたいこと、幸せなことだと思っていたけど、失って初めて、失った二人の尊さ・大切さをかみしめている。ほんとに愛おしい日々でした」
 
笑顔を浮かべる子供の写真ー
「ノート買いに行く」。当時12歳だった宮地貴弘くんは、学校から帰った後すぐに自転車で出かけ、自宅付近の交差点で前方不注意の車にはねられ、帰らぬ人となりました。
 
貴弘くんが亡くなってから22年。母親の宮地美貴子さんは、生命のメッセージ展を通して、自身の想いを伝えています。

【貴弘くん母親インタビュー】
「息子が亡くなってから半年後にどう生きていったらいいか分からない状況の時にメッセージ展に出会って。亡くなったけど、こうやってメッセンジャー(犠牲者のパネル)としていろんな人の心の中で生きることができることを知った」
「今回、ここから(敦賀市から)発信していくということで福井の地から種まき活動ができることをとても感慨深いと思う」
 
【来場者インタビュー】
「ご家族の方は、行ってきますと言って出て行って、そこから帰ってこない現実がとてもつらいと思う。自分も運転するので気を付けたい」
 
【鈴木共子代表インタビュー】
「生きていることは当たり前ではない、生きていることは奇跡ということを感じ取って一人一人が自分の命を守る、また誰かの命も守れる人になってほしい」
 
これからも、「命の尊さ」を敦賀から訴え続けていきます。

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