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推定活断層で“視界不良”に もんじゅ敷地内「試験研究炉」予定地決定延期 スケジュール見通せず【福井】
廃炉作業が進んでいる敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」の敷地内に、建設が予定されている「試験研究炉」について、所管する文部科学省は23日、県に年内としていた
建設予定地の公表を延期することを報告しました。国土地理院が、敷地内に活断層が存在する可能性を指摘したためで、今後、文科省は必要な調査を行う方針ですが、具体的なスケジュールは、現段階では示せないとしています。
高速増殖炉「もんじゅ」の敷地内に建設が予定されている試験研究炉を巡っては、2024年中をめどに3カ所ある建設予定地を絞り込み、原子力規制委員会へ設置許可申請を行う時期とともに公表するとしていました。
しかし、2024年10月、国土地理院がもんじゅの敷地内に活断層の可能性がある「推定活断層」が存在するという調査結果を公表し、管理する日本原子力研究開発機構が
対応を検討していました。
24日、文部科学省の清浦隆大臣官房審議官が県庁を訪れ、中村副知事に「建設予定地および設置許可申請見込み時期の公表を延期させていただきたい」と、試験研究炉建設に向けたスケジュール公表の”延期”を報告しました。
その上で、国土地理院が指摘した「推定活断層」は、位置も含めて不確定な要素が多く、現時点では調査の期間が見通せないため、再公表の時期など具体的なスケジュールは示せないとしました。
この報告に対し中村副知事は「非常に残念。調査に必要な体制、予算をしっかり確保いただき、できるだけ早く設置許可申請の見込み時期と建設予定地を提示していほしい」と答え、調査の進捗に合わせて地元に丁寧に説明するよう注文をつけました。
県に”公表延期”を伝えた文部科学省の清浦隆大臣官房審議官は「年内のスケジュール発表が実現できなったことは文科省としても非常に残念。最大限早いタイミングでの着工、運転開始を目指していきたい」と語りました。
文科省は調査の進展に合わせて、改めて試験研究炉の建設予定地の公表時期を示すとしています。
この試験研究炉、建設に向けての話は、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉決定に端を発します。“夢の原子炉”ともいわれていましたが、1995年にはナトリウム漏えい事故が発生し、ほとんど稼働できないまま2016年に廃炉が決定しました。
その際、茨城県や大阪府にあって老朽化が進んでいる「試験研究炉」を、もんじゅの敷地内に新設することを国が決定し、建設に向けた整備が進められてきました。
建設予定地などの公表が年内に行われる予定となっていましたが、2024年10月に国土地理院の調査で、敷地内に活断層がある可能性が指摘され、追加調査を余儀なくされた国は、年内としてた公表を延期せざるを得ない事態となりました、
この試験研究炉、そもそも明確な完成時期というのは当初から示しておらず、「推定活断層」の問題で完成までの道筋は、ますます“視界不良”となりました。
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