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夏の旅行中に気をつけたい「エコノミークラス症候群」水分補給と足の運動が効果 足でじゃんけんを
もうすぐ夏休み。家族や友人と旅行する方も多いのではないでしょうか。実は移動中に気をつけたい病気があります。簡単にできる予防法や病気のサインについて専門医に聞きました。
【リポート】
「夏休みに多くの人が計画している家族旅行。ただ、飛行機や車などの移動で長時間同じ姿勢を続けると、命に関わる病気を引き起こす可能性があります」
【市民インタビュー】
「高知に行ったときには、飛行機とJR、レンタカーを乗り継いで嫌になった。足がだるくて」「飛行機から降りるときに足がパンパンになって、歩けるけれど靴が入らなくなったことがある」
【福井厚生病院副院長・加藤浩司医師】
「足の静脈にできた血栓が血管の流れを伝って肺の動脈にまで届くと、動脈をふさいでしまう。これが肺塞栓症という病気。飛行機で長時間飛行して、特に狭い座席で足を動かさないでいると、血栓ができて、肺の動脈にまで血栓が飛んでしまう。そのことからエコノミークラス症候群と呼ばれるようになった」
肺塞栓症いわゆるエコノミークラス症候群は、急性心筋梗塞や大動脈瘤と並んで、循環器の三大救急疾患の一つとされています。肺塞栓症を引き起こすと、患者のおよそ8割が突然、呼吸困難に陥ります。また、胸の痛みや失神などの症状のほか、時には心肺停止となる危険があります。
原因は、太ももやふくらはぎなど、足の静脈にできた血栓が肺に到達すること。食事や水分を十分にとらずに、長時間同じ姿勢で足を動かさずにいると血行不良となり、血液が固まりやすくなります。呼び名の由来となった機内のほか、避難所などで引き起こしやすい病気です。
東日本大震災では被災者の3割が、能登半島地震では1割が、足に血栓ができたということです。WHOによりますと、4時間以上座ったまま動かないでいると、血栓ができる確率が倍になります。肺塞栓症を防ぐには水分補給と足の運動が効果的です。
【福井厚生病院副院長・加藤浩司医師】
「夏ですごい暑い猛暑が続くが、脱水になれないよう適度な水分をとる。これも大事なこと」
「肺塞栓症予防の足の運動をご紹介する。まず、靴を脱いで足の指でグーパーをつくる。足でじゃんけんをする気持ち」「次はつま先の運動。足を上下につま先立ちする。今度はつま先を引き上げる。これを繰り返す」「次は足首を回す運動。膝を両手で抱え、足の力を抜いて足首を回す」「最後にふくらはぎを軽く揉む。下から上に向かって揉む」
旅の移動中に発症する可能性がある肺塞栓症。病気が疑われるサインは―
【福井厚生病院副院長・加藤浩司医師】
「片足だけ急に腫れてきた。色が変わってきた、痛くなってきたときは要注意。命に関わるような状況では救急搬送が必須。自宅で何かするのはむしろ危険なくらい。いち早く病院へ搬送、受診をしてください」
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