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北陸新幹線開業から4カ月 夏休みの観光客をどう取り込むか “あの手この手”の敦賀市の飲食店【福井】
北陸新幹線県内開業から4カ月が経ちました。敦賀商工会議所が、新幹線開業の2024年3月から4月の売り上げについて企業にアンケート調査を行った結果、321社から回答がありました。去年の同じ時期と比べて「増加した」と回答したのは35.9%、飲食・宿泊業と小売業では、約60%が開業後の売り上げが「増加した」と回答し、新幹線効果が見られます。
これから多くの観光客が訪れる夏休み、駅から距離のある敦賀市内の飲食店も、開業効果をつかもうと、あの手この手の努力を続けています。
四季創菓HAYASHI・林信夫店主:
「開業から4カ月経つと、今はたまに新幹線の利用客が来る程度」
敦賀駅から歩いて20分ほどのところにある「四季創菓HAYASHI」は、フルーツを、クリームやスポンジ、羽二重餅で包んだオリジナル商品「ケーキ大福」が人気の店です。
店主の林信夫さんは新幹線開業直後は、駅から歩いて訪れた新幹線の利用客の姿も頻繁にみられたそうです。
四季創菓HAYASHI・林信夫店主:
「新幹線で来られた方は一つ二つ買って港で食べる人がほとんど」
店は港に近く、敦賀ムゼウムや赤レンガ倉庫といった観光地も徒歩10分圏内にあり、観光客を呼び込みやすい立地です。
新幹線の開業効果をにらみ、ケーキ大福の知名度アップを図ろうと東京に期間限定で出店したり、SNSでの発信に力を入れてきたりしました。観光客が増える夏休みに向け、他店ではマネができないオンリーワンをアピールする考えです。
四季創菓HAYASHI・林信夫店主:
「ケーキ大福は、中にスポンジが入っているので機械化できない商品。作るのは大変。大手も同じような商品を出してこない。コンビニや大手フランチャイズの菓子店がたくさんあるが、それとは違うお菓子なので、機械化できない菓子を少しずつ作っていけたら」
爽やかなレモンの香りが口に広がる豚骨ベースの「レモンラーメン」が看板商品の食事処「めん魚房 松月」は、敦賀駅から徒歩30分と離れた位置にあり、周辺に主な観光地はありません。店主の木村英二さんは、新幹線開業から4カ月の間に実感したことがあります。
松月・木村英二店主:
「キーワードとして『屋台ラーメン』は客が望んでいることは確か」
田島嘉晃アナウンサー:
「敦賀駅から徒歩10分のエリア、国道8号です。店では売り上げアップ、さらには屋台ラーメンを盛り上げようと、週に6日、屋台ラーメンを出しています」
店は、3年前からコロナからの復活をかけ、移動式の屋台ラーメンを始めました。それが、いまとなっては、駅から遠い店にほとんど訪れない新幹線の乗客を取り込む、貴重な収入源となっています。
敦賀で50年以上の歴史がある屋台ラーメン。かつては数十台の屋台が並び、列車の利用客、鉄道職員、原発の作業員、国道8号を走るトラックドライバーなど常連客でにぎわいました。現在は4軒ほどと少なくなりましたが、いまもその人気は絶えません。
新幹線で訪れた人は「街中をぶらぶらしながら美味そうなものがあるぞと。試しにどんなものかと思って来た。おいしかった」「行きの新幹線で敦賀に行くのは決まっていて、何かおいしいものがあるのかと調べたら、敦賀ラーメンで屋台があるのを見て、さっき行くのを決めた」と話します。
新幹線の乗客の目を引く「屋台ラーメン」。店は、夏休み中のにぎわいに期待を寄せています。
松月・木村英二店主:
「長きにわたって駅前などで頑張っていた店のおかげで私たちも乗っかれるし、リスペクトしている。新しい屋台というイメージでたくさんの人に味わってもらえれば」
敦賀に降り立つ観光客をどう取り込むか、この夏、それぞれの戦略が試されます。
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