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「空き店舗」に危機感 福井県内ショッピングセンターが連携 出店希望者情報を一元化しマッチングへ
福井県内のショッピングセンターはいま、空き店舗の増加に直面しています。増え続ける空き店舗を減らそうと、県内のショッピングセンターが協力して、空いている店舗の情報と店を出したい人とをマッチングさせる事業部を立ち上げました。
県内のショッピングセンターで作る県共同店舗協同組合連合会は25日、「リーシング事業部」を設立すると発表しました。
リーシングとは、空いている店舗に新たに出店したい人を紹介する業務のことです。これまでは各ショッピングセンターが個別に空き店舗の紹介などを行ってきましたが、情報を一元化することで空き店舗対策を強化するのが狙いです。
事業部には福井市のエルパやショッピングシティベルなど、8つのショッピングセンターが参加。空き店舗の情報を一元化して出店希望者とを仲介するほか、銀行や建設会社とも連携して融資やリフォームの相談、さらに新規事業の掘り起こしにもつなげたい考えです。
リーシング事業部立ち上げの背景にあるのは、県内の流通業を取り巻く環境の変化です。連合会の竹内邦夫理事長は「いま最大の課題は人口減少の中における店舗対策、厳しい」と実情を話しました。
商店街に代わって、売り上げや店舗数を伸ばしてきた県内のショッピングセンター。大手スーパーを核テナントに、地元の小売店が協同組合をつくって運営する形態は、過去には「福井方式」として全国的にも注目されました。
しかし、出店者の高齢化や人手不足、物価高騰が重なり、ショッピングセンターといえども店舗の撤退が相次ぐようになりました。中には、黒字でも後継者不足で閉店を余儀なくされた店舗もあるということです。
また7月13日に、流通大手・イオンが21年ぶりに単独で県内にショッピングセンターをオープンさせたことへの危機感もあるといいます。
県内のショッピングセンターが連携する「リーシング事業部」は、今後、情報交換会や勉強会、視察などを行うほか、将来的には専属の職員を雇い、戦略的に運営したいとしています。
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