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「活断層の可能性否定できない」敦賀2号機の再稼働 事実上認めない判断 原子力規制庁審査会合
日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機について、国の原子力規制庁の審査チームは、26日の審査会合で「規制基準に適合しているとは認められない」という結論を出しました。
再稼働に向けて日本原電は、敷地内の断層が「活断層ではない」と主張してきました。しかし、規制庁の審査チームは26日、原電の主張を退けて「活断層」の可能性を否定できないとしました。ルールによって、敦賀2号機の再稼働は原則認められず、福島原発事故後に再稼働の申請がなされた原発では初めてのケースとなります。
ことし5月、原子力規制庁の審査会合は、日本原電が否定する断層の「活動性」について「否定することは困難」との見解を示しました。
6月には現地調査が行われ、その断層が原子炉直下まで続いているか「連続性」の評価が続いていました。
26日の審査会合では、断層が原子炉建屋の方向に「連続する可能性が否定できていない」と指摘し、「活断層ではない」と否定する原電の根拠を退け、重要施設である「原子炉建屋の直下に活断層があることが否定できない」との評価をまとめ、原発の基準に適合していることが確認できないと結論付けました。
来週開かれる原子力規制委員会に報告され最終判断が示される予定で、再稼働が認められない場合、新しい基準では初めてとなります。
この審査会合の判断について、日本原電では「これまでの審査会合や現地調査での議論を踏まえ、今後も追加調査やデータの拡充に取り組み、敦賀2号機の稼働に向けて取り組んでまいります」とのコメントを出しています。
1987年2月に営業運転を開始した日本原子力発電敦賀原発2号機は、電気出力が116万kWで、発電した電気は国内の電力会社に販売してきました。しかし、東日本大震災による福島第一原発事故で、国内のほかの原発と同様に敦賀原発2号機も大きな曲がり角を迎えました。
福島第一原発の事故を教訓に、国内の電力事業者は新しい基準に基づく国の原子力規制委員会の厳しい審査に合格しなければ、原発を稼働できなくなりました。
敦賀原発2号機の審査で焦点となっていたのは敷地内の断層です。そもそも、断層の議論は10年以上前にさかのぼります。当時、発足したばかりの原子力規制委員会が設けた「有識者会合」いわば専門家によるチームは、敦賀原発2号機の真下にある断層が「活断層の可能性がある」ことを国内の原発で初めて指摘。廃炉の可能性が浮上したのです。
これに対して日本原電は強く反発し、活断層を否定する新たな調査結果などを提示し、再稼働に向けた審査を申請しました。この間、資料の記載ミスや書き換えが相次いで見つかり、審査が二度、中断する異例の事態となりました。
申請から約9年、日本原電と時に激しく対立してきた原子力規制委員会は、26日の会合で、敦賀原発2号機の活断層問題に一定の判断を下すと注目されていました。
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