ニュース
県内のニュース
戦後79年「戦争を知らない世代」に継承へ 学生ボランティアが式典運営に参加 福井市で戦没者追悼式
終戦の日の15日、福井市では戦争の犠牲者の追悼式典が行われました。戦後79年が経ち、戦争の記憶を世代を超えて継承するため、若者が参入するための取り組みも始まっています。
福井市の式典には、西行茂市長ら関係者や戦没者の遺族ら約140人が出席し、1分間の黙とうを捧げました。参列者は白菊を祭壇の前に手向け、戦争の犠牲となった市民約1万1000人の霊を慰めました。
サイパンで親をなくしたという86歳の男性は「僕は戦争についてはっきり分からないまま終わったが、大変だったと思う。生活していくのに一生懸命だった」と当時を振り返ります。
また、ミャンマーで父親をなくした女性は「赤紙が来た時に、大きめ真綿のチョッキを私のために買ってきて、それが印象に残っている。2度と戦争は嫌だと思う」と話し、戦没者のひ孫も「空襲や大変なことがあったというのを祖父から聞いた。戦争の悲惨さをこの歳になって考えるようになって、祖父母から聞いた話を次の世代に受け継いで行けたらと思う」と話していました。
戦後79年。国民の9割は戦後生まれとなり、先の大戦を知る人も少なくなってきました。
街頭で、戦争について尋ねると「終戦の日?知らない」と話す人も。父親が特攻隊になる前に終戦になったという人は、父親から戦争の話について聞いたことがあるかを尋ねると「ないです。聞かなかった一回も」としました。また「どうやって子供に伝えていけるか難しいところ。自分も体験してないし」と話す人もいました。
福井市では戦争の記憶を若い世代に継承しようと、3年前から学生ボランティアが式典の運営を担っています。参加した学生は「ここでしか出来ない体験だと思ったので、参加した。戦争はあってはならないことだが、79年前に戦争が起きたことは変わらない。これからの社会でどう生かしていくのかが大事なんじゃないか」と力強く語りました。
- 広告