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〈台風10号〉日本海側・列島縦断・太平洋側 3つのコースで被害の傾向は?気象予報士が解説【福井】
台風10号の最新情報について、村田気象予報士の解説です。
非常に強い台風10号は、屋久島の西を発達しながらゆっくり北上していて、29日(木)に九州の西に、その後東寄りに進路を変え、30日(金)には九州に上陸する恐れがあります。9月2日(月)にかけて日本列島を縦断する予想です。
福井県内に最も近づくのは31日(土)~1日(日)です。速度がゆっくりで、県内への接近は27日の予想よりも更に遅くなりました。
こんなに遅いのはなぜかというと、一つは偏西風です。上空1万m付近にある偏西風が、先週までの予想よりも蛇行が小さく北にあるため、台風がこの風に乗れないでいる状況です。
もうひとつは、二つの高気圧に挟まれていることです。偏西風よりも低い位置の上空5000~9000m付近にチベット高気圧と太平洋高気圧があり、台風はこの二つの高気圧に挟まれています。高気圧は時計回りに風が吹き出しているので、向きの違う風にちょうど挟まれていて、身動きがとれなくなっているのです。
予報円が、まだ大きいので進路が定まっていませんが、この予報円から読み取れることは、▼日本海を北上する▼日本列島を縦断する(北陸地方を直撃)▼日本の南、太平洋側を東進する、この3つのコース、どれも可能性があるということです。
それぞれ、県内への影響は異なります。
▼日本海を北上する
日本海を北上するときは、暴風に警戒が必要です。過去、九州の西から日本海を北上した台風があります。1991年9月に日本海を北上した台風19号により、県内は広い範囲で暴風となり、福井市の最大瞬間風速は観測史上最も強い48.8M/Sを観測。家屋の損壊 1700棟以上、大きな災害をもたらしました。日本から台風がどんどん離れてゆくのに、暴風が吹き荒れました。
▼日本列島を縦断する(北陸地方を直撃)
日本列島を縦断する台風は、県内は大雨、暴風ともに警戒が必要です。2017年9月の台風18号は、九州から北海道にかけて日本列島を縦断しました。県内でも各地で暴風を観測し、嶺南地方を中心に大雨となり床下浸水の被害が発生しました。最も危険なコースといえます。
▼日本の南、太平洋側を東進する
日本の南を東に進む台風では、県内は、大雨に警戒が必要です。2016年9月の台風16号は、九州の南から太平洋側を東に進みました。県内は大雨となり、24時間降水量は、多い所で100ミリを超え、土砂災害や床上浸水などの被害が発生しました。
台風の中心がどこを進むのか、そればかり気になりますが、台風から離れていても被害が大きくなることがあります。遠く離れていても油断できません。
台風の進路によっては大荒れの天気が予想されるので、暴風や大雨に警戒が必要となります。今後も、常に最新情報を確認してください。
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