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眼鏡の端材を世界に一つだけのアクセサリーに「アップサイクル」 “めがねのまち鯖江”で進むSDGs 【福井】
古くなった製品や廃棄物に新たな価値を加え、再利用する「アップサイクル」。鯖江市の眼鏡パーツメーカーが、本来なら廃棄される端材や不要となった生地を利用して、「アップサイクル」で商品の開発に取り組んでいます。
様々な色や形をしたピアスやネックレス。これらのアクセサリーは、実は眼鏡を製作する工程で出る「端材」を使用して作られています。眼鏡の素材は「アセテート」製で、軽くアレルギーが少ないのが特徴です。
アクセサリーを製作しているのは、鯖江市北野町にある「松原蝶製作」です。創業1960年で、眼鏡の鼻パッドの製作やフレーム製作の一部を行っています。
この会社は「アップサイクル」に取り組んでいて、フレームの製作工程で出る端材や、今後使う予定がなく廃棄してしまう生地を様々な色や形の眼鏡の鼻パッドに生まれ変わらせます。
このアップサイクルの取り組みの中で思いついたのが、眼鏡部品以外の商品開発への応用で、着目したのは「アクセサリー」でした。
担当者の長谷川亜美さんは「自社で捨てるものが多かったので、有効に使えるものがないかと思い、私自身がアクセサリーに興味があったので、アクセサリーにできないかなと思ったのがきっかけ」と話します。
約3年前から、眼鏡の端材を使ったアクセサリーの製作に取り掛かりました。試行錯誤を繰り返し、端材の柄や形を生かした全く新しいデザインのアクセサリー作りにたどり着きました。
長谷川さんは「いま私が着けているのは、眼鏡の鼻パッドの形だが、そういうものを使って他社では作れないものを作っている」と話します。
そして、これまでに製作してきた眼鏡の端材を使ったアクセサリーが、思わぬ場所でお披露目されることに―
約40の企業や団体がブースを出し、SDGsについて考えるイベント「SDGsフェス」です。その中でひときわ多くの視線を集めた「ファッションショー」では、東京ガールズコレクションに出演する人気モデルが、アップサイクルで作られたアクセサリ―を着用してランウェイを歩きました。
今回、イベントに向けて6つの企業と個人が眼鏡の端材を使ったアクセサリーを提供しています。
長谷川さんは「お客さんが眼鏡の素材を使っていると分かってくれたらうれしい」とランウェイを眺めながら話します。
長谷川さんのアクセサリーは2人のモデルが着用。眼鏡の端材で作られたアクセサリーがショーを引き立てます。
ショーを見た人は「(眼鏡の)端材ならすごいなと思う。かわいいし、端材が利用できるならいい」「高級ブランドみたいで、違和感はなかった」「オシャレできるし、SDGsだし、ダブルでいい感じ」と話し、好評でした。
実際に長谷川さんが製作したアクセサリーを着用したモデルの「みとゆな」さんは「端材でこんなにきれいなものが出来上がるのがすごい。オリジナルな、世界に一つだけしかないものは、手に入れたときに特別な気持ちになると思う」と話していました。
モデルの「ねお」さんも、「再利用できるなら、こういうアクセサリー増えた方が環境にも優しい。小顔効果もあるぐらい大きいアクセサリーなので、好きな人は多いのではないかと思う」と話していました。
眼鏡の端材でできたアクセサリーは、人気モデルを筆頭に若い世代の心をつかみました。
長谷川さんは「鼻パッドの形を使ったアクセサリーなどを企画して、今後、販売数を増やしていけたらと思う。“めがねのまち鯖江”なので、こういったアクセサリーを通じて、世界に眼鏡をPRしていきたい」
松原蝶製作で作られたアクセサリーは、現在、「道の駅西山公園」や「めがねミュージアム」で購入することができます。
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