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5万年前の地殻変動で民家より大きな岩がゴロゴロ 大野市阪谷地区で400超の「巨岩」を巡る“小旅”【福井】
福井県内の魅力を再発見する「小旅」のコーナーでは今回、大野市阪谷地区の巨岩巡りに案内します。地区に点在する400を超える岩の数々。その大きさにも注目です。
大野市の東部にある自然豊かな山里・阪谷地区。ここでは集落の中に独特な光景が広がっています。
それが、次々と現れる巨岩。家よりも大きな岩も点在しています。
八町集落で最も大きな岩は、高さが最も高いところで10メートルあり、取材した身長174センチの吉田アナウンサーと比べると、大きさがよく分かります。角度によっては獅子のように見えることから、地元では獅子岩と呼ばれています。
なぜ、このような岩が点在するのかについて、長年この地で暮らす中出さんは「この岩のふるさとは経ケ岳という火山。その溶岩が固まってできた岩が地殻変動で転がってあちこちに点在していると言われている」と話します。
福井大学の研究によると、岩の成分は溶岩と同じで、約100万年前に経ケ岳が噴火して生まれた溶岩が、約5万年前の地殻変動で飛ばされた「岩屑雪崩」によるものと考えられています。
阪谷地区には、小さいものも含めて約460の岩が点在しているといいます。
中出さんに代表的な岩を案内してもらいました。
「犬岩」と呼ばれている岩については「かつて村がオオカミに襲われた時に、野犬の集団が犬岩に集結して一斉に遠吠えをして、オオカミを追い払ったといわれている」と説明してくれました。
中出さんは「巨岩群は珍しい地形のあり方。この自然を多くの方に味わってもらいたい」と話します。
案内してもらった中出さんらは、地域おこしの一環として、現在「岩巡り地図」を作成中だということです。
約5万年前、経ケ岳から転がり落ちてきたと言われる岩の数々。これからも阪谷地区のシンボルとして悠久の時間を過ごします。
<大野市阪谷地区>
大野市街地から東へ車で15分ほど
<獅子岩>
道の駅「越前おおの荒島の郷」から車で5分ほど
※獅子岩がある場所は、個人が所有する畑の中にあるので、農作物などには触れないように注意。
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