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越前がにシーズン到来も…出漁できない天気の条件は? 漁師の“生の声”を交えて気象予報士が解説【福井】
視聴者から寄せられた天気にまつわる素朴な疑問や、珍しい気象現象、知りたいことなどを村田気象予報士がわかりやすく解説する「天気のギモン」のコーナー。今回のテーマは「越前がに出漁できない天気は?」です。
6日解禁となった越前がに漁ですが、解禁初日と7日は天候不良のため出漁が見合わせとなりました。
海で仕事をする漁師にとって、天気は命にかかわります。
◆出漁見送りとなった6日午前3時の天気図
6日午前3時の天気図をは、等圧線が日本海で膨らんでいる部分があります。この場所は、向きの違う風がぶつかる所で、雨雲や雷雲が発達しました。
海はやや荒れた天気になり、5日から6日朝にかけて、強風と波浪注意報が発表されていました。
◆6日夜の天気図
そして、6日夜の天気図をみると、等圧線が縦に走る冬型の気圧配置になっています。上空には寒気も南下しているので、北日本では7日、雪の降る所があります。大陸からの季節風が強まり海では波が高くなる予想で、強風、波浪注意報が発表されています。海上には、海上風警報が発表されています。
安全な漁を行う上でポイントになるのは、波の高さと風の強さです。具体的に漁に出るか出ないか判断する基準があるのか、漁師に聞くと「冬型になると出られない。冬型の前に南風が強まることもある。風速13メートル、波の高さは2.5~3mを超えると出漁できない。西の空が真っ暗になることがあって、そういう時は注意している」と話していました。
◆漁師の見解
<風速13メートル、波の高さは2.5~3mを超えると休漁になる>
その他にも風向きや潮の流れなど様々な要素があり、沿岸部と沖合では気象条件が異なるため、あてはまらないこともあるということですが、ひとつの目安です。
風や雲の様子など、身の回りのものをみて天気を予想することを「観天望気」と言いますが、漁師ならではの「観天望気」があるようです。
さらに漁師は、近年の海面水温が高い傾向についても、影響を懸念しています。
5日の日本近海の海面水温を平年と比べたデータでは、平年よりも高い領域が赤く表示されていますが、日本の周辺は真っ赤になっていて、日本海は平年より3℃前後高い状況になっています。
◆海水温上昇が及ぼすカニ漁への影響
この海面水温が高いことについて、漁師は「カニは、1度以下の所に生息するから、引き上げる時は水面でモタモタできない。スピードが勝負!」と話していました。
海の温暖化もあり、一気に網を引き揚げないといけないカニ漁は、時間との勝負だということです。
◆8日の予報
8日は漁に出ることができるのか。7日夜の天気図をみると、冬型の気圧配置は緩んできますが、まだ北寄りの風がやや強く吹きそうです。8日未明の予想は、沿岸部の最大風速が8m、波の高さが2mです。
8日に出漁できるかどうかは、7日朝に決定するということです。
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