番組情報
- 天然醸造醤油
- 2020年11月15日(日)放送
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福井市田原町にある「室次醸造場」。約450年前に創業し、現存する醤油醸造店としては日本で最古と言われています。
その醤油蔵元の15代目として、天然醸造の伝統を守りながら、無添加・天然素材にこだわった醤油作りをしているのが、白崎裕嗣さんです。
「天然醸造醤油」とは、昔からの作り方で作る醤油です。添加物を加えないため、1年かけてじっくり発酵させて作ります。
スーパーなどに並ぶほとんどの醤油は、「本醸造醤油」と呼ばれ、発酵を促進させて3か月ほどで出来上がります。
「天然醸造醤油」は、大変な手間と時間がかかるため、大量生産に向いていません。現在ではほとんど生産されておらず、日本で流通する醤油の1%に満たないといわれています。室次醸造場も一時期、天然醸造をやめていました。
ところが、約10年前から「無添加の醤油はないか」など問い合わせが増えたことから、白崎さんは天然醸造を復活させることにました。
天然素材にこだわる白崎さんは、それだけに留まりません。
無数の調味料が存在する今、昔ながらの「天然醸造醤油」だけではなく、天然素材を使用した次世代の無添加調味料を開発しようと、福井県立大学と共同で研究を続けています。
そして完成したのが、無添加天然醸造醤油の「パウダー化」です。醤油を粉末にすることで、賞味期限を延ばし、品質を安定させることに成功しました。
「本当の醤油とは何か?」を探し求める室次醸造場。「世界中に醤油を広めていきたい」と白崎さんは意気込みます。