番組情報
- 岩屋の梨
- 2020年09月20日(日)放送
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梨と言えば、シャリシャリとした食感と、みずみずしい甘さが人気の秋の味覚。この梨を嶺南で唯一生産している地域が、若狭町の岩屋地区です。
岩屋地区で梨を生産するようになったのは、約65年前。
この地域は、山から吹き下ろす強い風と、石混じりの土壌のため、昔から農作物の育ちが悪い場所でした。かつては葉タバコも生産していたこともありましたが、外国産が入ってきて需要が減り、衰退。そんな時、福井県のアドバイスもあって梨を育てるようになりました。
岩屋梨生産組合の組合長、澤和夫さんは、「岩屋の梨は、甘みが強い」と言います。石混じりの土壌は、梨の栽培には水はけの良い、好条件の土地だったのです。
現在、組合に加入する農家は17軒。全戸で化学肥料や化学農薬を減らした「減農薬」に取り組んでいます。「減農薬」は、岩屋の梨のブランド化に一役買ってくれると考えたからです。
しかし、減農薬栽培には苦労も伴います。生育の途中で発生した病気や害虫に対して、なかなか対策がとれずに被害が拡大するのをただ眺めているだけになる事もあると言います。組合では対策として、「共同防除」を行っています。病気や害虫を発生させないため、組合の農家が集まり、梨の耕作地全体を一斉にできる限り少ない薬を散布する体制を取っています。
岩屋の梨生産者数は、減少傾向にあります。高齢化と後継者不足が主な理由です。
澤さんは、この状況を変えるため、「体験農業や観光梨園に力を入れたい」と言います。まずは岩屋の梨を知ってもらうことで観光客を増やし、地域を盛り上げていく。そうすることで、後継者が増えるきっかけにもなると考えています。
※令和2年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、観光梨園は行っておりません