番組情報
- 新しいご飯の友
- 2021年04月11日(日)放送
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若狭地方の伝統料理のひとつ、「へしこ」。これを加工してできた、新感覚のご飯の友を高浜町の企業が開発しました。その名も「ねりさば」。へしこの風味はそのままに、塩辛さを抑えているため、へしこが苦手な人でも食べやすくなっています。平成24年には、福井県優良観光土産品推奨審査会で、新商品部門、優秀賞を獲得した商品です。
開発したのは、株式会社えがみの石堂弘志さん。県外客などから「へしこの食べ方がわからない」「へしこは塩辛くて食べられない」などの声を聞き、ご飯の友や酒の肴になるような食べやすい物を作ろうと考えたのがきっかけでした。独特の風味で癖のあるへしこを、誰にでも食べやすくするにはどうしたらいいか、石堂さんは試行錯誤しました。
石堂さんの考えは、2つ。へしこの味を食べやすくするために調味料を加えて調えることと、魚の臭みを消すために熱を加えることでした。まず取り掛かったのは、調味料を加え、味を調える事。白砂糖を加えてみたり、黒糖を加えてみたり、山椒を加えるなど、様々な調味料を試し、比率を変えるなど、繰り返し試していきました。そして調味料をなじませるため、へしこを細かく刻むようにし、ふりかけやフレーク状にする事を目指しました。
続いて熱を加えるため、炒ることにした石堂さん。ところが、このときに思いもよらぬ変化が起きます。熱を加えたことで、へしこの脂がにじみ出し、細かく刻まれたへしこは、みるみる練り物状になったのです。想像していた完成形とは違ったものの、そのまま商品の完成とし、商品名に「ねりさば」と名付けました。
そうして完成した「ねりさば」。練り物状になったことで、思わぬ形で可能性が広がります。アンチョビに似た調味料として、様々な料理に使えることがわかったのです。石堂さんは、「いろいろな料理に使ってもらい、新たな使い方を発見してほしい。万能調味料として広がってくれると嬉しい。」と話します。
■魚河岸喜平治(えがみ)
住所 | 高浜町宮崎63-1-1
連絡先 | 0770-72-1205