番組情報
- 縁を結ぶ二葉葵
- 2020年06月14日(日)放送
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ハートの形をした葉っぱが特徴の「フタバアオイ」という山野草があります。このフタバアオイを育て、毎年京都の上加茂神社に奉納している人たちがいます。活動しているのは、鯖江市吉江町の「吉江あおい会」。メンバーは約10人、専用の畑のほか、それぞれの自宅で栽培しています。
奉納されたフタバアオイは、京都の三大祭のひとつ「葵祭」で、本殿や行列の装束の飾りに使われています。
鯖江市吉江町は、かつて徳川家康のひ孫、松平昌親が藩主を務めた吉江藩があった場所です。そのため、吉江藩の紋所「葵の御紋」に描かれている植物「葵」に興味があったそう。そんな時、たまたまテレビで奉納されているフタバアオイを見て、すぐに話を聞きに京都まで行ったそうです。
その際、フタバアオイが鹿の食害などで取れなくなってきていることを知ったメンバーが、自分たちも協力しようと株をもらってきたことが活動の始まりでした。
フタバアオイはちょっとしたことでもうまく育たない、とても弱い植物です。本来、山で育つ植物で、直射日光に弱く、湿った場所を好みます。
毎日水やりをして土が湿った状態を維持しますが、それは苔が生えやすい状態でもあります。苔が生えてしまうと、フタバアオイに水や栄養がいかずに枯れやすい。また数年経つと、密集して育つようになりますが、これも成長の妨げになるため、株分け作業も必要となるそう。
吉江あおい会が丁寧に育てたフタバアオイは、他の地域で育てられたものよりも、葉の大きさが大きく、立派なのだと言います。それは奉納の際、数が多いばかりでは喜ばれず、葉が大きく立派なものを数が少なくなっても選んでいるから。そのため京都の上加茂神社に奉納に行った際は、宮司が迎えるなど喜ばれています。
会のメンバーは、ひとりでも多く、周囲の協力をもらいながら、これからも多くの数を奉納し続けていきたいと意気込んでいます。