番組情報
- 鬼瓦
- 2020年11月29日(日)放送
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越前市にある鬼瓦の工房「北川鬼瓦」。江戸末期から続く、鬼瓦の職人「鬼師」の家系が鬼瓦を造っています。その6代目として伝統の技を受け継ぐのが北川順一さんです。
北川鬼瓦は、今でも全ての細工を手作業で造る全国でも数少ない鬼師集団です。江戸幕府御用達の宮大工集団の流派「立川流」の技法を取り入れた「立川流鬼瓦」を受け継いでいます。立川流は、鳳凰や七福神等、珍しい題材の鬼瓦を作るのが特徴です。
鬼瓦の製作には主に武生でとれた粘土を使います。一般的な押し型で作られる鬼瓦と違い、北川さんの作る鬼瓦は、意匠を凝らした細かい細工が施されています。そのため、造形だけで約2週間、焼きあげて完成するまでには約4か月かかります。
鬼瓦は寺社や家を守る魔除け、さらに縁起物として何種類も作られてきました。ただの飾りではなく、そこには日本人が古くから大切な思いを込めて使ってきた歴史があります。だからこそ、北川さんは「買われた人が幸せな気持ちになるように、細工に手を抜かずに頑張ろう」と考えながら作っています。
住宅の建築様式が変化し、今では鬼瓦を屋根につける家が減りつつあります。しかし、「鬼瓦で使われている技術や、魔除け・厄除けの想いを残していかないといけない」と考える北川さんは、鬼瓦という形にこだわらない、インテリアとして使える鬼瓦として残していくことにしました。
鬼瓦の置物を通じて、技術の高さや鬼瓦の良さを知ってもらおうと、インターネット販売や全国の展示会に参加しています。「伝統の技と想いが込められた工芸品が残っていることを思い出してほしい」と北川さんはいいます。
北川鬼瓦
住所 | 越前市池ノ上町8-5-1
連絡先 | 0778-23-5744
営業時間 | 8:00 ~ 18:00
定休日 | 日曜日