味真野茶屋｜福井テレビ

心地よい苦みがすっきりとした後味を残す「味真野茶」、室町時代から続くと言われています。地元ではこのお茶文化を後世に残そうと、有志たちを中心に「味真野茶保存会」が結成され、味真野茶の生産・普及活動をおこなっています。

そんな地元で愛されている味真野茶を堪能しながら、お茶について深く知ることができる場所が誕生しました。それが、越前市池泉町にある「味真野茶屋」です。ここでは味真野茶を飲むことができるだけでなく、味真野茶を使った茶飯を中心にしたランチメニューや、茶葉をふんだんに使ったようかんやプリンなどのスイーツも提供し、こだわりの味真野茶メニューを味わうことができます。

「味真野茶のメニューを通じて、茶文化について多くの人に知ってもらいたい」そう語るのは、このお店のオーナーである渡辺喜恵さんです。渡辺さんは2023年の3月まで越前市の公民館で勤務していましたが、最初の配属先が味真野だったといいます。味真野で働きながら地域の人たちと関わる中で、味真野茶のおいしさや味真野茶保存会の取り組みについて知った渡辺さんは、いつしかそれを情報発信する拠点があればと考えるようになりました。

その思いは日に日に強くなり、退職を機に飲食店経営に挑戦する決心をしました。飲食業の経験もなく不安でいっぱいだったという渡辺さんでしたが、店舗改修の費用に充てるためにはじめたクラウドファンディングで、地元の人たちからのたくさんの支援をもらったことで背中を押され、同年7月に味真野茶屋をオープンしました。

「お客さんから感謝や応援の言葉を貰うたびに、これが私の仕事だと思える。これからも笑顔の絶えないお店にしていきたい」と語る渡辺さん。味真野茶の魅力を発信するために、きょうもおいしい料理を作っています。